想いは言葉にしなくちゃ伝わらない
コトノハ
「知ってるっスか?女の子には『可愛い』っていうと、本当に可愛くなるらしいっスよ?」
隣に座っていた黄瀬君が突然、変なことを言い出した。
「はぁ、そうなんですか?」
私はどう返事をすればいいのか迷って、適当に相づちを打つ。
「じゃあ、元から可愛い子に『可愛い』って言ったら、もっと可愛くなるってことっスかね?」
「はぁ、まぁ、そういうことになるんですかね?」
黄瀬君が何を言いたいのか分からずに困惑する。
すると、黄瀬君がくるっと私の方に顔を向ける。
「可愛いっスよ」
「・・・は?」
思わず気の抜けた声が出た。
「可愛いっス。可愛い、可愛い、可愛い!もうメッチャ可愛いっスよ」
「き、黄瀬君!」
私は少し声を張り上げる。
黄瀬君は「ん?」と言って首を傾げる。
「か、顔が近いです」
「可愛い」と言いながら、どんどん私に近づいてくるので、私は自然と体を後ろにのけぞらせていった。
そのせいで、椅子から落ちそうになる。
「ごめんなさいっス」
そう言って黄瀬君はゆっくりと離れていく。
ホッと息を吐いて、椅子に座り直す。
しかし、それも束の間。
今度は頬に軟らかい感触が触れて、ビックリした私はまた椅子から落ちそうになる。
けど、黄瀬君が私の腕を掴んでくれたから、落ちずには済んだ。
「あはは!顔、真っ赤っスよ」
私はキスされた頬を押さえながら、口をパクパクさせた。
何か言い返したいのに、上手く言葉が出てこなくて。
それをしてやったりという顔で黄瀬君は見ていて。
いつも黄瀬君の行動に振り回されてばかりで、ちょっと悔しいと思った。
『可愛い』と言い続けて、可愛くなれるなら、
『好き』と言い続ければ、あなたはもっと私を好きになってくれますか?
今はまだ、上手く言えないけれど。
−−−−−−−アトガキ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
黄瀬!黄瀬!今回、ちょっとイケメンだ(笑)
そして、ただのバカップルさんです(笑)
たまにツイッターで流れてくるネタを元に書いてみたモノです。
自分で自分に「可愛い」とか言うのは吐き気してくるので自分は無理ですが、
でも、確かにTVとかに出てる人で「自分、可愛いんで」とか言ってる人は可愛いよね。
嘘っぽいけど、本当のことっぽい。
ヒロインちゃんがもっと可愛くなったら、きっと変な虫がわんさか集まってくるから、
黄瀬君は害虫駆除に大忙しですね(笑)
それでは、ココまで読んでいただきありがとうございました。
12.10.23
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