構って構って構って!!
その言葉が
その行動が
何もかもが愛おしい
構って!
休日の昼下がり。
ソファに座って新聞を開く。
「(お、今日NBAやんのか。録画するか)」
テレビ欄を見ながらそんなことを考えていると、勢いよく後ろから抱きしめられる。
「―?首締まりそうなんだが」
「何読んでんだよ」
「新聞」
「そんなん見りゃ分かる」
「じゃあ聞くな」
構わずに新聞をめくる。
はさらに強く抱きしめてくる。
「マジで首締まりそうなんだが?」
「何読んでんだよ〜構えよ〜」
「あーはいはい。コレ読んだらな」
さらにもう一枚、新聞をめくる。
肩に顔をうずめるとスリスリとしてくる。
首にあたる髪が少しくすぐったい。
「今構えよ〜読んでからとかどんくらいかかるんだよ〜」
「・・・15分くらい?」
「遅い!今すぐ構え〜!」
顔が食い込むんじゃないかってぐらい強くスリスリしてくる。
いや、もうスリスリっていうか、グリグリっていう表現の方が正しい気がしてきた。
それでも気にせずに新聞を読み続ける。
「せっかくの休日なんだぞ〜。構えよ〜。構ってよ、順平〜」
「せっかくの休日だからゆっくり過ごしたいんだが?」
「だからって彼女放置すんな〜」
「してないだろー。今こうして構ってる」
「構ってない〜。新聞から目を離せ〜」
グリグリをやめると、今度は全体重を俺に乗っけてきた。
後ろから両手を伸ばして新聞を奪おうとする。
俺も腕を伸ばして新聞をから遠ざける。
「そこまでして新聞が読みたいのか!」
「おう」
「おう、じゃない〜。いつでも読めるだろ〜」
「構うのもいつだっていいだろ」
「よくない〜!今度いつ会えるか分かんないだろ〜!」
俺の背中に乗っかって足をバタバタし始める。
泳ぐ気か、お前。
「構え〜!」
そういう声がだんだん泣きそうになってくる。
ちょっと意地悪しすぎたか。
「」
名前を呼ぶとバタ足が止まる。
伸ばしていた腕も下ろされる。
「構ってやるから、ここ座れ」
そう言って俺の前を指さす。
俊敏な動きで俺の前に移動すると、目を輝かせて、床に正座する。
主人にボールを投げて欲しくてうずうずしてる犬みてぇ。
犬耳としっぽが見えそうな勢い。
「俺の方見てじゃなくて、反対」
は首を傾げながらも俺に背を向けて座り直す。
俺もソファから降りて床に座り直す。
を後ろから抱きしめるようにして。
でも新聞は手放さない。
「一緒に見てろ。読んだら構ってやる」
「しょうがない。今は付き合ってあげるから、読んだら構えよ!」
「はいはい」
ちょっと俺を見上げて満足げに笑う。
視線を新聞に移すが、早く構って欲しくてうずうずしてる。
俺はお構いなしにゆっくり読み進める。
構ってやるのが面倒なんじゃない。
むしろ甘やかしてやりたいと思ってる。
けど、俺に構って欲しくて、逆に構ってくるが可愛くて、
つい意地悪をしてみたくなる。
そうするとますます甘えてくる。
それがまた可愛い。
可愛いをずっと見ていたいから、この意地悪はやめられねぇな。
−−−−−−−アトガキ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
年上彼氏と構ってちゃんの図にクソ萌えて書いた。
私の日向氏は大人の余裕ではなく、ただの意地悪。
意地悪を意地悪と思わせないように余裕ぶってるだけ。
そんなこと気にしない年下彼女ちゃん。
構ってもらえるとか愛されてるよ、日向氏(笑)
一応、日向さん社会人なイメージ。
彼女ちゃんは大学生くらい。
高校生だと・・・犯罪、だよね?(笑)
お仕事忙しくてなかなか会えないから構ってほしい彼女ちゃん。
お仕事忙しいからゆっくりしたい日向さん。
けど最後には構ってあげるんだよ。バカップルが←
その夜は2人仲良くNBA見たと思うよ。
「うわー!すっごーい!見た?見た!?」「うるさい。黙って見てろ」とか言い合いつつ見てればいいよ。
んで、またバスケに夢中になってる日向氏に「構えよ〜」って構ってちゃん発動すればいいよ。
可愛いよ、お前←
それでは、ココまで読んでいただきありがとうございました。
12.10.23
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