落ち着きのないキミは危なっかしくて

目を離すとすぐどこかに行きそうで

だから、目が離せない

つなぎ止めておかないといなくなりそうだから
















はぐれない









赤い提灯がぶら下がり、たくさんの屋台が建ち並ぶ。

いつも暗い境内が明るく照らされ、大勢の人で賑わっていた。






「見て、見て、大ちゃん!金魚すくいがあるよ!」






金魚すくいの屋台を見つけたはそっちの方へ駆けていく。

水の中を泳ぐ金魚を楽しそうに見ていたかと思うと、またすぐにフラフラと歩き出す。






「あ!あっちにはリンゴ飴がある〜!」






今度はそっちの屋台へ指を差しながら駆けていく。

俺は人ごみをかき分けながらの後を追いかける。






今日は近所の神社の夏祭り。

はこういうのが好きだと思ったから誘った。

けど、失敗だった。

人が多すぎる。

んで、が落ち着きない。

背がちっちゃいから、はするすると人ごみの中を楽に動き回っている。

ちょこまかしているせいではぐれそうになる。

けど、はそんなことお構いなしに楽しそうにはしゃいでいた。

楽しそうにしているを見ているのは俺も楽しいが、ちょっとイライラしてきた。

人ごみに紛れるを見つけながら追いかけるのは楽じゃない。







やっとのことでのいるリンゴ飴の屋台に辿り着く。

が、それも束の間。

はまた別の屋台の方へ歩き出そうとしていた。






「ちょっと待て!」






俺はの首根っこを捕まえた。

はビックリしたような表情で俺を見上げる。

何が起きたのか分かっていないような顔だ。






「お前なぁ、人が多いんだからあんまりちょこまかと動くな!はぐれるだろうが!」






俺は少し声を抑えて怒鳴る。

やっと状況を理解したらしいは少しだけシュンとなった。






「ごめんなさい・・・」






ペコリと俺に頭を下げて謝ってきた。

別に謝って欲しかったわけじゃねぇし、落ち込ませるつもりもなかった。

ただ、はぐれると困ると思ったから注意しただけで。






「ん」






俺はの前に手を差し出す。

は俺の手をジーッと見た後、「何したの?」という表情で俺の顔を見上げる。

何で気づかねぇんだよ。

どんだけ鈍感なんだ、は。






俺は何も言わずに手をつなぐ。

そして、そのまま引っ張るようにしてを連れて歩き出す。

は頭に?マークを飛ばして、戸惑ったような表情をしている。

俺は小さくため息をつく。






は危なっかしいんだよ!だから、黙ってつないでろ!」






前を向いたままに向かって喋る。

こんなこと言わせんな。

気付け。

恥ずかしさで顔が熱くなるのが分かった。






少しだけ歩く速度を緩める。

このままだとが転びそうになると思ったから。

チラッと盗み見ると、は嬉しそうに微笑んでいた。

ふとが顔を上げて俺の目線とぶつかる。






「ありがとう、大ちゃん」






は少しだけ顔を赤めて言うと、ギュッと握り返してきた。

それが可愛くて、

上手く言葉が出なくて、

俺は静かに、でも力強く手を握り返した。









−−−−−−−アトガキ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

夏と言えば夏祭り!!!
ということで始めたお題企画。
キセキ6人のうち、イメージに合った5人を選出して書いております。
・・・誰か1人はお留守番です(笑)

今回は青峰編です。
身長差カップルというコンセプトで書かせてもらいました。
彼女さんにゾッコン、彼女さんもゾッコンという、
ちょっとだけバカップルな2人です♪

青峰可愛いよ〜!!!!!!
なんだこのピュア峰め!!!!!!
自分で書いておいて可愛いな、コイツ!!!!!!

青峰もツンデレだと思うの。緑間には負けるけど(笑)
そんな青峰は大好きで、動かしやすいです。


それでは、ココまで読んでいただきありがとうございました。


12.07.14

お題提供元:確かに恋だった





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