努力なんて
暖かい日差しが差し込む昼下がり。
何もすることがないと自然とあくびが出る。
「ねぇ、暇ならお買い物行ってきてくれない?」
母さんが財布とメモ用紙を持って近づいてくる。
正直面倒くさいと思ったりもしたが、
「天気良いんだから家の中にばっかいてももったいないでしょ?」と
笑顔で言われた。
おそらく「面倒くさい」と心の中で思ったことが少し顔に出ていたようだ。
仕方なく重い腰を上げて、財布とメモ用紙を受け取る。
背中越しに「いってらっしゃーい」という声が聞こえた。
きっと笑顔で手を振っているに違いない。
僕は振り返ることなく家を出た。
外に出ると少し風が冷たかった。
そのせいもあって、家の中にいたときより寒く感じる。
「・・・マフラーしてくれば良かった」
一応、上には羽織ってきたのだがマフラーが欲しくなった。
取りに戻ろうかとも考えたがそれも面倒くさい。
「とっとと買い物済ませて帰ろ」
独り言のようにボソッと呟いて、ポケットに手を突っ込んだ。
身を少し丸めて歩いていると、前方から見知った人物が走ってきた。
そのまま素通りしてくれればいいものを、ご丁寧にも気付いてくれたようで。
クラスメイトの。
女子バレー部に入っているということもあって何かと話す機会がある人物。
と言っても、一方的に話しかけられているという印象なのだが。
「あれ?月島君だ。何してるの?」
走る足を僕の前で止めて、話しかけてきた。
少しだけ息を切らせながら。
「頼まれ事。そっちは?」
細かいことを説明する必要はないと思って短く返す。
「あたしは体力作り!部内で一番持久力ないからさー」
苦笑いをしながら頬をポリポリとかく。
「オフなのに?」
「うん!毎日やらないと意味ないし。継続は力なり!ってね」
小さくガッツポーズをして笑って見せる。
僕は興味なさそうに「ふーん」と一言だけ返した。
努力するのは嫌いだ。
努力では埋められない差というものがある。
それは努力するだけ無駄。
だから、「努力すれば何とかなる」って思ってるヤツは嫌いだ。
あと、熱いヤツも嫌い。
熱くなったからってどうにかなるの?
熱くなったところで、努力したところで、差は縮まるの?
縮めようとするだけ、無駄なこと。
なのに―――
なぜか「頑張るんだ!」と笑顔で話している君は嫌いじゃないと思った。
「まぁ、頑張って?」
ちょっと嫌味っぽく言ってみたけど、には通じないようで。
「うん!ありがとう!またね!」
笑顔で手を振って走っていった。
その後ろ姿を見えなくなるまでボーっと見つめていた。
努力するヤツは嫌いだけど、
地道に努力している君は
なぜだか少し応援してみたいと
少しだけ思ってしまった
なぜそう思ったのかは僕にも分からないけれど、
そう思わせたのは
もしかしたら君の明るい笑顔だったのかもしれない
「・・・くだらない」
変なことを考え出した自分の思考に少しイラつきを覚えた。
そんな考えを振り払うように軽く頭を振って僕は歩き出した。
一瞬だけ、君が消えていった方向を振り返って。
−−−−−−−アトガキ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
初☆ハイキュー!
初☆ツッキーを書かせてもらいました!
・・・が、ごめんなさい。
何を書きたかったのか自分でもさっぱり分からない仕上がりに・・・
努力が嫌いな月島だけど、
努力してるヒロインちゃんだけには好意を持ってもらえたらなーと思って書いた作品です。
よく分からない仕上がりですが!(泣)
それでは、ココまで読んでいただきありがとうございました。
15.02.20
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